萬歳/漫才

いよいよ今年も終わりです。
来年はいい年でありますように、と言いたいところですが、
日本の政治状況は、どうにも冴えない事が多く、
これ以上悪くなったらどうしよう、と心配になります。

とは言え、お正月。
このブログも、言祝ぎネタ「萬歳/漫才」であります。

現在、テレビなどでおなじみの「漫才」は
「萬歳」がルーツです。
いや、新字体と旧字体の違いではなく、
「漫才」は「しゃべくり漫才」のことを指し、
「萬歳」は「音曲萬歳」を指します。
別の芸能なのです。
浪曲、江州音頭、河内音頭なども
「萬歳」がルーツの芸能です。

「萬歳」の起源は奈良時代頃まで遡るようです。
江戸時代になると、尾張地方を中心に、門付芸として全国的な広がりをみせます。
各地の家々を巡り、新年を言祝ぐ芸として広がり、
隣接芸能にも影響を与えていったのです。

そのため、明治〜昭和の芸能を語る時、
必ず尾張萬歳が取り上げられます。
萬歳には地域的な特徴があり、
秋田萬歳、横手萬歳、尾張萬歳、三河萬歳、伊勢萬歳、
と地域名が付きます。
「御殿萬歳」や「なかなか萬歳」というのもありますが、
これは地域名ではありません。

YouTubeの映像は
萬歳の歴史を5分ほどで簡略にまとめています。
ただし、この映像は保存芸能・古典芸能としての萬歳であります。
1970年代を境に、門付芸としての萬歳は途絶えました。




下の映像は少し長めで、三重のケーブル・テレビ局が作った萬歳の番組。
地域的には伊勢萬歳になりますが、萬歳の歴史が分かりやすくまとめられてます。
番組中に出てくる村田清光さんは、萬歳師としては最後の世代になります。
子供の頃から門付をしながら、各地をまわった方です。
自主制作でCDも出してますよ。




少し前の記事に「ゴッタン」のことを書きました。
ゴッタンも保存・継承している方がいます。
バイオリン演歌もそうですね。
そして、萬歳も同じ。
いや、ゴッタンやバイオリン演歌に比べると、保存・継承活動は盛んです。

伝統芸能の保存・継承は大事なことです。
苦労も多いと聞きます。
しかし、
これは致し方のないことですが、
門付芸や街角の芸は「現場」で生命力を持ち、
「保存芸能」からは、そのエネルギーが失われがちになります。
つまり
門付芸人は芸と引き換えに、米や金を受け取り生活をしていた、
その当たり前のところから生まれる違いですね。

もう一つ大きな違いは、「旅(放浪)」です。
門付芸人は町や村を巡り、家々を巡り、
芸を披露し、芸を鍛えていきました。
「芸能は旅(放浪)と共に有り」ました。

なぜ門付芸が衰退したのか、という疑問をもつ人もいると思います。
大きく言えば、経済、交通、メディアなどを含めた「社会構造の変化」ですね。
だから門付芸が復活することはないでしょうし、
「萬歳」から「漫才」が生まれたように、
別の「芸」が生まれていくのだと思います。
その時代ごとに、娯楽や楽しみはありますよね。
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by sunra-cloudy | 2013-12-31 20:59 | 音楽
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