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Alan Lomax

アラン・ロマックス(1915〜2002年)、
アメリカおよびその周縁地域の民謡、民俗音楽の研究家です。
……なんか固苦しいな。
でも、固苦しいついでに言うと、
「民族音楽」と「民俗音楽」は違います。
興味のある方は、ネットで調べて下さいね。

ロマックスはアメリカの各地を廻り、
様々な音楽を現地録音した人です。
映像も撮ってます。
ハーバード大学の研究者であった、
父親のジョン・ロマックスと一緒に
カウボーイの唄を野外録音したのが始まりのようです。

ロマックスはアカデミックな研究者ではなく、
自分の聴きたい音楽を求めて各地を旅し、
録音だけでなく、時には自らステージに立ち歌う人でした。
小沢昭一やALロイドと同じスタンスです。
芸能好きが最高の楽しみ方をした、とも言えますね。

このところYouTubeを徘徊しておりまして、
Fife音楽はないかと検索したところ、
とんでもないヤマを見つけました。
「アラン・ロマックス・アーカイブ(AlanLomaxArchive)」です。
361本の動画が上がってました。
知らなかったです。これは大変。
(長くなるので続きは「More」)



Fifeもありました。ファイフは横笛のことです。
「Fife & Drum Band」の動画です。



アメリカ南部の伝統的な芸能で、今も演ってる人はいます。
横笛と太鼓によるシンプルな演奏は、楽器を作るのが簡単なこともあり、
世界各地に存在します。

ちょっと話はそれますが、
フリージャズ・ファンはスタンリー・カウエルの『リ・ジェネレーション』で聴いてます。
(StrataEast、1975年)
アルバム3曲目の「Shimmy Shewobble」です。
横笛がマリオン・ブラウン。
ドラムがエド・ブラックウェル、ビリー・ヒギンス、アレケ・カノンの3人。
豪華メンバーですよね。

アラン・ロマックス・アーカイブを視ていて驚いたのは、Joe Savageという人です。
「デンジャラス・ブルース」を歌ってます。
いやもう、曲名どおりで歌も顔もヤバイです。
全く無名の人がこの歌だものなぁ。
音楽の世界は広いです。



こちらはJoe Savageが友達と歌ってる労働歌。
農作業歌です。



さらに労働歌を探していると、Work Songsですね、
またしても貴重な映像を見つけてしまいました。
音源はいくつかあり、聴いていたものの、映像を見るのは初めてです。
囚人による集団労働歌です。
前半が農業、後半が林業。
アラン・ロマックスによる録音・撮影ではありませんが、
関係はあります。
まずは映像。



映像のクレジットを見ると、驚きますよ。
録音がフォーク歌手のピート・シーガー
撮影と編集がダニエル・シーガー(ピートの息子です)
トシ・シーガーの名前も入ってますね。
日系アメリカ人でピートの奥さんです。2013年に亡くなりました。

ピート・シーガーにはアラン・ロマックスの助手として
働いていた時期があったのです。
1940年頃です。
ピートの父親とロマックスが知り合いで、その縁だそうです。

人のつながりで言うと、
アラン・ロマックスはピート・シーガーのデビューを助け、
ピート・シーガーはボブ・ディランのデビューを助けてます。

いやぁ、今回はいい意味で色々と驚きました。
でも長くなってしまいました。続きはそのうち。

最後に。
アラン・ロマックスの伝記が出たそうです。
著者はジョン・スウェッド。コロンビア大学教授で社会学者。
と言うより、『サン・ラー伝』の著者です。
まったく、音楽ジャンキーが好むものは、
アメリカ人も、ドイツ人も、日本人も、同じですね。
by sunra-cloudy | 2014-01-22 03:00 | 人物
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